保留箱は、よくできた仕組みです。捨てるか残すかをその場で決めなくていいので、手が止まりません。ただ、作った本人が期限を決めないと、箱は家に残り続けます。うちでは、最初の1箱が2年そのままでした。
最初は1つだけでした。迷った物はここへ、と決めた段ボール1箱です。ところが、片付けを進めるほど箱は増えていきました。
箱にラベルを貼っていなかったのも失敗でした。「保留」とだけ書いた箱が並ぶと、どれから開けるかを毎回考えることになります。
箱は、増える前提の道具です。判断を先送りするためのものなので、迷った回数だけ増えます。1年後に開けて、これは保留だったのか、それとももう決まっていたのか、自分でも分からなくなっていました。
1つ目の理由は、中身に基準がないことです。値段で決められる物なら、「高いから残す」という基準が使えます。手紙や写真には、その基準が使えません。基準がないまま開けると、毎回同じ場所で止まります。
期限を決めるのを避けていた、という言い方もできます。決めてしまうと、決めた日に何か結果を出さないといけない気がしていたからです。
2つ目の理由は、開けるのがつらいことです。写真の箱を開けた日は、夕方まで気分が戻りません。だから後回しになり、後回しのまま、期限を決めること自体を忘れていました。つらい作業には、日付が要ります。
期限を決めるときに、私は次の4つを先に確認しました。決めるのは箱ではなく、条件のほうです。
| 開けられる状態の日に開けるか | つらい日は開けない。開ける日を先に決めて、その日まで箱には触れない |
|---|---|
| 同じ物を2回迷っていないか | 2回迷った物は、迷っている時点で答えが出ている。保留ではなく、置き場所の問題 |
| この箱がなくて、生活で困るか | 1年開けず、使った回数がなかったなら、それは保留ではなく保管 |
| 家をどうする予定か | 家を手放す予定なら、箱はいずれ動かすことになる。動かす日から逆算して期限を決める |
この4つは、頭の中だけで考えず、紙に書き出しました。頭の中では「まだ大丈夫」のほうに寄ってしまうからです。
いちばん効いたのは3番目でした。1年開けなかった箱の中身を、生活で使った回数はありませんでした。使わなかった、という事実だけが残ります。そこからは、開けるのが少しだけ楽になりました。
期限は「いつまでに捨てるか」ではなく、「いつもう一度見るか」として決めました。
半年という間隔は、私にはちょうどよかった。1か月では開ける日が来ず、1年では置き場所として定着してしまいます。
大事なのは、捨てる判断を「今」に押し込まないことです。見て、まだ手放したくないなら、また保留でかまいません。ただし、その場合も次の日付は箱に書きます。日付がないまま置かれた箱は、いずれ「開けてはいけない箱」になります。
※写真や手紙の整理は、思っている以上に体力を使います。休みの日にまとめて開けず、1日1箱までにしてください。中から相続に関わる書類が出てきた場合は、処分の前に内容を確認し、必要に応じて専門家に相談してください。
今も、家には保留の箱が1つだけ残っています。中身はもう分かっていて、次の日付が書いてあります。それだけで、家の中の空気が違います。
保留箱は、いつか自然に終わるものではありませんでした。期限を決めて、初めて終わります。箱を1つ減らすより、箱に日付を書くほうが先でした。うちでは、それだけで片付けが戻ってきました。
保留を続けること自体は、悪くありません。ただ、家をどうするかを決める時期が来ると、箱はまとめて動かすことになります。量が多くて運び出しが難しくなったときのために、金額の幅だけ先に見ておくと判断しやすくなりました。
実家の片付け・遺品整理のお申し込み後、ご登録の連絡先へ確認の電話が入ります(見積もりは無料です)。「WEBだけで完結」「営業電話ゼロ」をお約束するサービスではありません。